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損得から尊徳の時代へ   武道教育研究家 風間 健 (NHKドラマ出演が多い・俳優 筒井道隆の父親)

人も物も損得の時代となった今日、今、何が必要かといえば、第一に道徳教育である。人道に特を積むという基本的精神の教育が不可欠なのである。国民は法律を遵守して生活してゆくが、法律のおよばない規制がある。それが人間性、道徳感であり、良心である。人は人としての道の中で、徳をつむようになり、人間としての価値をなすもので、今こそ損得から脱し、尊徳再教育が不可欠といえる。
文明の発展は必ずしも精神(正心)の発展を伴わない。文明は利器として活用できる反面、時には人間らしさすら、そぎ落とす凶器ともなる。物が豊になる一方で、こころは貧しさを増し、自分自身の生き様さへ見えなくなってくる。私は心の核の一つとして、道徳教育すなわち武士道、武の心の道をあげる。省みるに、新渡戸稲造の英文武士道を読んだ多くの知識人たち(アインシュタイン・ケネデイ・エジソンなど)の感動が、今も語り継がれているのは何故だろうか?
武士道は、武の心の道を通して人心を学ぶものである。そこには、当然、倫理道徳の精神が根幹をなしていなければならない。かっての日本人の心・技・体とは、武士道そのものであり、武力と心道の表裏一体のものである。その教えを実践教育するのが、武道を進化させた21世紀の教育改革、すなわち武心道である。
私は」「指導者とは、常に学びの心なくして指導なし」と常々思っている。人間の強さ、弱さをみせ、語り、相手から教えられ、学び、成長してゆく。それが指導のあるべき姿だと思う。常に感謝の心を忘れずにである。真の日本再生を願う人達が集い、ともに実践できることを願う。
教育新聞:2286号の「円卓」より(風間 健氏とHP管理者は友人関係)

 |Posted 2006.9.4|