映画「ローマの休日」を彩ったスクター”VESPA”
1953年、公開の映画「ローマの休日」でグレゴリー・ペック演じる新聞記者とオードリー・ヘップバンが演じるアン王女がピアッジ社製の「スクーター・ベスパ」に乗ってローマ市内を駆け回るシーンはあまりにも有名です。更には、ヒロインの王女を撮影しようとするエデイ・アルバートが扮したカメラマンは、初代フィアット500ポリーノを操って登場。カメラマンが新聞記者と、王女が二人乗りするベスパをポリーノで追走するカットも名シーンです。
写真は当時使用された「スクーター、ベスパ」と同じものが、2014.02.15.~05.15まで、名古屋市名東区極楽にあるオリエンタルビル株式会社・NORTHで展示されました。そんな名画の名シーンを演出し、スクーターの原点とも言われ、世界中で愛されてきた「ベスパ」は、1946年にアビッシオ社のポンテデーラーの工場で誕生しました。ピアッジオ社は1884年にイアタリア・ジェノバで創業、船舶機や鉄道用車両の製造会社として成功しましたが、第2次世界大戦末期に連合軍によって空爆され、工場は廃墟と化してしまいました。当時の代表者であったエリンコ・ピアッジオは、工場の再起と、イタリアの復興を担うこれからの時代のニーズとして庶民が便利に移動できる安価な乗り物としてオートバイに目をつけ、ヘリコプターの生みの親。コランディーノ・ダスカニオに開発を依頼しました。ダスカニオが早速、開発したオートバイは技術を随所に配した画期的な内容で、それはイタリアン・デザインの粋を集めて描かれた丸みを帯びたスタイルは、瞬く間に人々の心を掴みました。このオートバイはテールエンドへかけての膨らみが「蜂」のようであったことから「VESPA」の愛称を与えられました。
個別ページへ |Posted 2014.6.9|